- ドナルド・トランプ大統領とイーロン・マスク氏のXでのやり取りが暗号資産の売りを引き起こし、レバレッジをかけた投資で約10億ドルが消失した。
- ビットコインは一時10万1000ドルを割り込み、イーサリアムやドージコインといった主要トークンは大幅な清算を経験した。
- トランプ大統領によるマスク氏への非難を受けて市場の混乱が起こり、暗号資産市場の最近の強気なトレンドに影を落としました。
ドナルド・トランプ（Donald Trump）大統領とイーロン・マスク（Elon Musk）氏との深夜のXでの口論が、世界市場に新たな不確実性を引き起こし、主要暗号資産（仮想通貨）は急落し、レバレッジ取引による賭け金約10億ドル（約1450億円、1ドル=145円換算）が失われた。
ビットコイン（BTC）は一時10万1000ドルを下回り、その後、若干反発したが、ドージコイン（DOGE）とカルダノ（ADA）は過去 24 時間で6%以上下落し、最も大きな打撃を受けた。時価総額の大きな暗号資産を追跡するCoinDesk 20 指数（CD20）は5%以上下落した。
CoinGlassのデータによると、トレーダーは9億8800万ドル（約1432億6000万円）の清算によって損失を被り、そのうち8億8800万ドル（1287億6000万円）はロングポジションだった。これは強気なポジションの全滅を意味する。
バイビット（Bybit）やバイナンス（Binance）などの取引所が最大の打撃を受け、バイビットだけで3億 5400万ドル（約513億3000万円）近くの清算が発生した。
清算は主に主要トークンに集中し、CoinGlassのデータによると、過去24時間でビットコインが3億4200万ドル（約495億9000万円）を超える清算額をリードした。
イーサリアムが2億8600万ドル（約41億7000万円）で続き、広範な市場での急激な売り圧力を反映している。
ソラナ（SOL）やDOGEもそれぞれ5100万ドル（約73億9500万円）と2700万ドル（約39億1500万円）の清算を被り、アルトコイントレーダーは急落の波に巻き込まれた。
エックス・アール・ピー（XRP）も例外ではなく、2300万ドル（約33億3500万円）のポジションが消滅した。データによると、1000PEPEのようなミームコインの高レバレッジ取引がボラティリティをさらに高め、トレーダーが急いでポジションを解消したことも要因の一つだ。
清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジをかけたポジションの証拠金要件を満たすことができない（取引を継続するための十分な資金がない）場合に発生する。
通常、資産価格がポジションと逆方向に動いた際に発生し、初期投資の大部分またはすべてを失う結果となる。清算の連鎖は、市場が極端な状態にあることを示し、市場心理が一方に過度に傾いた結果、価格の反転が迫っている可能性が高い。
この売り圧力は、トランプ大統領がマスク氏を「クレイジーだ」と非難し、彼の企業との政府契約を解除すると脅迫した一方、マスク氏がトランプ氏をジェフリー・エプスタイン（Jeffrey Epstein）の事件と結びつけて反撃したことが背景にある。
この対立は、最近数週間で暗号資産市場が主に上昇傾向にあったことを覆い隠し、今週初めの利益確定売りをさらに激化させた。
｜翻訳：CoinDesk JAPAN
｜編集：井上俊彦
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｜原文：Bitcoin, Ether Bulls Hit With $800M Liquidation as Trump-Musk Tussle Rattles BTC, ETH
